「冷感」にも種類がある
ひとことで冷感と言っても、本当に身体を冷やしてくれるものから、そうでもない(気分だけの)ものまで、いろいろな種類があります。
①気化熱の利用
②接触冷感
③湿度コントロール
④スプレー冷却
⑤メントール効果
⑥遮熱・赤外線カット
⑦その他
それぞれの特性を知りながら、自分に合ったモノを選んでみましょう。まずは「気化熱」から。
1江戸時代からの王道「気化熱」を利用したグッズ
冷蔵庫や製氷機がなかったその昔、涼をとる方法といったら「打ち水」でしたよね。水が蒸発するとき、接しているものから熱を奪う性質があります。
その気化熱を利用した冷感グッズの代表がこちら、水で濡らして使うタオル「THE SUIT COMPANY カラビナボトル入りクールタオル」です。
使い方は、水に濡らして、絞って振るだけ。乾いたらまた水に浸します。メッシュ構造になった特殊素材により、水をすぐに気化してひんやりとした冷感を得られます。専用のカラビナボトル付きなので、濡れたままでも収納でき、持ち運びに最適です。特に首部分は太い血管が通っているので全身が冷めやすく、熱中症対策に効果的です。
また、浴衣にも合うような、こんな和柄の製品「丸和貿易 小江戸クールタオル」もあります。
2生地自体がもつ「接触冷感」を利用したグッズ
繊維が持つ性質を利用した製品も数多くあります。天然繊維の麻(リネン)、化学繊維ならポリエステルなどが接触したときに冷たく感じる「接触冷感素材」といわれていますが、生地の温度が低いわけではありません。
接触冷感は、熱が高温から低温へと移る「熱伝導率」という性質によるものです。ポリエステルは熱伝導率・熱拡散率が非常に高く、肌の熱が生地に瞬時に移動するため冷たさを感じます。ほかにもレーヨンやキュプラといった繊維にも接触冷感があります(ユニクロのエアリズムもキュプラの仲間です)。
生地に熱が移動する量は「最大熱吸収速度 Q‒max値(W/cm2)」という単位で表されます。だいたい0.2W/cm2以上が接触冷感素材と呼ばれ、適度なひんやり感を味わえる目安です。0.4W/cm2あると「ひゃっ!」と声が出るくらいです。
例えばこちら「西川だからつくれるこだわりマスク(接触冷感素材)」はq-max値 0.311(初期値/室温20℃の場合)。
こちらの「shanti 冷感オリジナルマスク」はq-max値が最大0.4とのこと。
商品を選ぶとき、q-max値が表示されていたら目安にしてみてください。
3衣服内の湿度を低下させるグッズ
ふだんの衣服に、洗濯時の柔軟仕上げ剤で涼感をプラスすることができると話題になっているのが、花王が今年新発売した「ハミング涼感テクノロジー」です。
汗が衣服にしみ込み、通気性が悪くなった服は早く脱ぎたい気分になりますね。「ハミング涼感テクノロジー」は、イヤな汗ムレを防いでくれる仕上げ剤です。汗を糸内部に吸収しやすくして、繊維間の水膜を防ぎ、衣服内のムレ・湿気を放出しやすくします。衣服内の湿度をコントロールすることで、皮膚表面の温度の上昇を抑制します。
ですので、はっきりと「冷感」というほどの強い刺激はありませんが、お気に入りの普段着を快適に着たいときに使うのがおすすめです。香りからも涼感を得られるよう、「アクアティックフローラルの香り」と「スプラッシュグリーンの香り」の2種類が発売されています。
※この記事は2020年7月30日時点での情報です。