野の花に親しんできたら寄せ植えで
四季の移り変わりを長く楽しめる
一輪でコーナーを演出する楽しさを学んだら、次は寄せ植えに挑戦してみては? 最近でこそ「苔玉」があちこちで売られているようになりましたが、それまでは盆栽の添え物だった草ものの盆栽を売ってみようと、和テイストの寄せ植えを作りはじめたのはこの「司」が先駆者です。お店には野草の苗と、それらを用いた野花の寄せ植えの鉢も豊富に並んでいます。
小森谷さんいわく、野花の魅力は、繊細な見た目に反して非常に丈夫なことだそうです。野花の寄せ植えは、春に芽が出て、花をつけ、冬にいったん枯れてもまた次の年に芽が出るというふうに、小さな鉢の中で生命の営みを味わうことができます。定期的に「野花の寄せ植え教室」も開催されており、自分で作った作品を持ち帰って楽しむこともできます。
癒やしの野花アレンジメントは親への贈り物に人気。
ベランダ・ガーデニングも可能
「司」では野花を使った和テイストのアレンジメントや花束の制作も行っています(クール宅急便で配送されます)。主なオーダーはお茶をたしなむ方のための茶室に合うアレンジや、お見舞い用、母の日やご両親の結婚記念日など。また銀座という場所柄らしく、日本料理店のディスプレイのオーダーも多いそうです。
「司」オリジナルの野花アレンジメントの一例。中心におめでたい花タイツリソウ(=鯛釣り草)(写真右/ピンクのハート型の花)を配して慶びを表現。他に菖蒲、アスチルベ、つりがね鉄扇、梅花ウツギ、コバノズイナ、ビバーナム等を個性豊かな花を配置して税込6,480円(アレンジメントは3,240円より注文可能)。
また、「司」にはガーデニング事業部もあり、通常の庭はもちろんビルの屋上やマンションで坪庭を作って楽しむ方が増えています。草ものは根を横に張って増えることができるので土の厚さわずか10cmでもOK。大きめのプランターや鉢でいろいろな種類を植えて、自然に近い形で育てるのがおすすめです。
「方角や風当たりなど、ベランダの環境をチェックしてから最も適した植物をご提案しています。野花の庭は元々日本で育ってきた植物ばかりですし、植えっぱなしで手のかからないものです。慣れてきたお客様は『ただ季節を待っていればいいのね』と気軽に楽しんでいらっしゃいます」(造園担当、都築さん)。
銀座での贅沢な野花鑑賞をたっぷり楽しんだ後は、2階に上がって「茶房 野の花」の優しい甘味でひとやすみ。ランチタイムには山菜を調理した"野山のごちそう"の食事も楽しめます。銀座での買い物の途中でちょっと休憩したいときにも最適です。
目を凝らして小さな花のディテールまで鑑賞し、いろいろな葉の形や、色も少しずつ違う緑に感動しながら、ゆっくりと植物を眺める時間を過ごしたのは久しぶりでした。我が家でも半端物になった小皿に野花を飾って見ようか等々、取材後にいろいろなアイデアが沸いてきました。読者のみなさまも、自分だけの野花飾りに挑戦してみてはいかがでしょうか?
Information
野の花 司(茶房野の花&スペース司)
所在地:中央区銀座3-7-21
営業時間:10:00~19:00、
日曜・祭日は11:00~18:00
電話番号:03-3535-6929
(茶房)03-5250-9025