"お茶を食す?"日本食レストランで提供されるお茶づくしの「抹茶ビアガーデン」
JR御茶ノ水駅、聖橋口から徒歩3分。「GREEN TEA RESTAURANT 1899 OCHANOMIZU」は、2014年8月に開業した全9室のスイートルームでもてなすラグジュアリーホテル「ホテル龍名館御茶の水本店」に併設する創作和食店です。ホテルのコンセプトである「和」を食の観点から「お茶」と「和食」で表現し、「お茶のあるおもてなしの食風景」を提案しています。
店内に入ると、和モダンな内装の店内にはお茶の淡い香りがほのかに立ち、ゆったりとくつろげる印象を受けました。こちらでは、ランチタイムからディナータイムまで、お茶の香りを楽しんで食事ができるよう、全席禁煙になっています。
香りの仕掛けがもう一つ。食事の際は、お茶の香りをより楽しめるようにと、「茶香炉」を用意してくれます。茶葉を熱することで香りがたち、自然な香りが漂います。
店長の坂上さんにお店のコンセプトについて伺いました。
「お茶」をテーマにされた理由は、ずばり1899年の創業の地「御茶ノ水」に由来しているのだそう。坂上さんのお話しでは「御茶ノ水の地名は、鷹狩りの帰りに立ち寄った2代将軍徳川秀忠が、この地にあった金峰山高林寺という寺から湧き出ていた水を使ってお茶を飲んで以来、徳川家御用達の名水になったことに由来していますが、御茶ノ水で営業してきた当社としては、地域に貢献したいという思いでお茶をテーマにしています。」とのことでした。
また、「お茶には栄養成分がたっぷり含まれているのに急須で入れてお茶として飲むと3割しか栄養が取れません。不溶性であるビタミンA・Eなどの栄養分はそのまま茶殻に残ってしまい、栄養分の7割が活用されないのです。そこで、単にお茶として飲むだけでなく、より栄養成分を摂取できるよう茶葉を使った料理を提供しています。」(坂上さん)と、お茶の栄養成分の摂取にまで気を遣われ、お茶への熱い想いを感じました。
コラム:お茶の効能
お茶の代表的な成分に「カテキン」があります。カテキンはポリフェノールの一種で緑茶に多く含まれます。このカテキン、抗酸化作用と脂肪を燃焼する効果があり、高脂血症・糖尿病、動脈硬化、肥満症、高血圧の予防に効くといわれています。日本では、奈良時代に遣唐使や留学僧によって薬として持ち込まれたのが喫茶の始まりといわれており、「薬」を飲むことから「お茶を一服する」なんて言葉が生まれたとか。カテキンには殺菌効果も認められ、サルモネラ菌、腸炎ビブリオ菌など食中毒の原因となるほとんどの菌を殺菌し、近年猛威を振るった大腸菌O-157にも効くと発表されています。そう考えると、お寿司屋さんで必ずお茶が出されるのには納得できます。
お茶を中心に扱うこちらのお店では、お茶の専門家である専属の"茶バリエ"が温度管理をしたお湯を使って丁寧に淹れたお茶を味わえます。 壁一面には約50種類の様々な茶器が並び、好きな湯呑を選んでお茶をいただくことができるサービスも好評だそうです。