［トリビア３］いちごの品種ってどれくらいあるの？

現在は、東（栃木県）の「とちおとめ」と西（福岡県）の「あまおう」が両横綱といわれ、シェアの１位２位を競い合っています。そのほか群馬県の「やよいひめ」、静岡県の「章姫（あきひめ）」や「紅ほっぺ」などが、いま東京のスーパーでよく見かける品種でしょう。

ちなみに、2000年代に入ってから新種として登録申請された数はなんと189種もあるそう。世に出てくる新品種は、農業試験場での選抜に勝ち残った超エリートいちごたちといえますね。

それでは今注目の品種を見ていきましょう。

とちおとめ（1996年品種登録）	あまおう（2005年品種登録）
鮮やかな紅色で光沢がある、首都圏でのシェアNo.1のいちご。先代品種の「女峰（にょほう）」より大きく、甘みが強い、栃木県で生まれた代表品種です。	濃い紅色とコロンとした丸みが特徴で「赤い、丸い、大きい、うまい」という4語から1文字ずつとって命名されました。先行品種の「とよのか（1984年登録）」に比べ平均で約1.2倍の重さに育ち、ブランド育成のため福岡県だけで生産されています。

ゆめのか（2007年品種登録）	章姫＝あきひめ（1992年品種登録）
愛知県で生まれた品種で、少しごつっとした見た目ですが、果皮がかためで傷みにくいため、より完熟に近い状態で収穫されているという魅力があります。糖度が高く、酸味もあって、さっぱりとした食味です。	国産第一号「福羽」の系列をひく静岡県の代表品種。やや長細い円錐形、なで肩が特長。表皮と果肉が柔らかめで、酸味が少なく、ジューシーで甘いいちご。「あきひめ」と「さちのか」を掛け合わせた「紅ほっぺ」も最近よく出回っていますね。

あわゆき＝淡雪（2013年品種登録）	スカイベリー（2014年品種登録）
鹿児島で登録された「白いいちご」の新品種。表皮の色はほんのりとした桜色で、果肉もほんのり色づいています。見た目の印象と十分な甘さとのギャップが持ち味ですね。	とちおとめの後継とされている注目の新品種です。美しい円錐形でツヤがあり、とちおとめより果実が非常に大きくなる（25g以上の3Lサイズ割合が3分の2）のが特徴で、なめらかでジューシーな食感と独特の芳香が魅力です。

きらぴ香（品種登録出願中）
「紅ほっぺ」をさらに改良、次の静岡県の代表品種として世に出てきた大型新人。三角錐のかたちが美しく、色はオレンジがかった赤の大粒のいちご。果肉を切ってみると中まで赤みが強めで、味も濃い印象のいちごです。

コラム：いちごの栄養価

いちごといえばビタミンCの代名詞。100g単位の含有量ではアセロラやすだちなどに負けますが、手軽に手に入り、一度にたくさん食べることができるので、いちごのほうが優秀な食品といえます。大人の一日のビタミンC必要量を摂るには中くらいのいちご5〜6粒を食べればOK。ビタミンCはコラーゲンの生成を助けて肌を丈夫にし、免疫力を高めて病気から体を守るだけではなく、抗酸化力が老化を防止して、ガンの発生率も抑制するといわれています。ただし、ジャムではビタミンCは激減するので生でたっぷり食べたいですね。そのほかミネラルや葉酸、食物繊維の一種であるペクチンも豊富です。

＜スポット情報＞
都内でもいちご狩りができる！？「世田谷いちご熟」

東急大井町線上野毛駅より徒歩10分、閑静な住宅街のなかに現れるビニールハウス。高設栽培システムなので腰をかがめることなく、12月〜6月頃までいちごの摘み取り（量り売り）、または食べ放題（大人[中学生以上]2,000円、30分）が楽しめます。品種は「章姫」と「紅ほっぺ」が中心です。いちごの色づき状況によって営業予定が変更になることもあるので、農園主のブログで営業日を確認してから出かけましょう。