江戸情緒香る粋な下町と革新続ける洗練された町を併せ持つ"日本橋"界隈を街歩き
Vol.44 / 2015, 06
日本橋室町
甘酒横丁を日本橋川方面に進み、首都高速都心環状線を左に見ながら進んでいくと「日本橋三越本店の新館」が真正面に表れます。「日本橋三越本店の新館」は、2004年に建てられた新しい建物ですが、「日本橋三越本店の本館」は、1935年にルネッサンス様式の現在の建物になり、「東京都選定歴史的建造物」にもなっています。本館の入り口には、三越の象徴的存在であるライオン像が1914年よりお客さまをお出迎えしています。
三越の先を左に曲がると近隣に建ち並ぶ重要文化財「三井本館」や「日本銀行本店」など優美な佇まいを見せる名建築物が並んでいます。
「三井本館」は、関東大震災による建替えを行い、1929年に新たな建物として復活しました。現在は三井住友銀行と三井住友信託銀行の店舗として使用されています。
また、「日本銀行本店」は、1896年に建てられ、上から見ると「円」に見えるようになっています。しかし、当時の紙幣には、「圓」が使用されていたことから「偶然では?」と言われたこともあったようです。
三越の通りを挟んで向かい側に目を転じると「COREDO室町」を筆頭に先進的なデザインの商業施設がドーンと立ち並びます。新旧が調和するこの街並みは日本橋ならではであり、伝統と革新を感じさせます。
この街にはファッションや食の老舗や名店、人気店が揃っているので自在なライフスタイルに応えてくれます。
日本橋
「日本橋」駅方面へ進むとこの街のシンボル"日本橋"があります。日本の中心として日本の道路の起点となっているこの橋は、今もたくさんの人が足を運ぶ名所です。最近では、東野圭吾さんの小説「麒麟の翼」でも話題になり、観光客が多数訪れています。このまま中央通りを進むと1690年創業のお茶や海苔で有名な「山本山」や書籍だけではなく万年筆などの文具も取り扱う「丸善」、デパートの「日本橋タカシマヤ」など創業が100年を超える老舗のお店にも出会うことができます。
"日本橋"を渡ってすぐの場所には老舗和菓子屋「うさぎや中央通り店」があります。うさぎやと言えば、きめが細かいふわふわの皮に、これでもかとあんこが詰まっているどら焼きが有名です。
今回は、日本橋交差点を「COREDO日本橋」に沿って左に曲がり、永代通りを約1km進んだ隅田川に架かる名橋「永代橋」に向かいます。
「永代橋」付近の隅田川沿いにある「新川公園」は、隅田川テラスとなっています。春になると桜が咲き並び、水辺の美しいお花見スポットとして近隣住民に人気で、水辺の癒しも堪能できます。
「新川公園」からは、「東京スカイツリー」や隅田川を往復する「水上バス」を眺めることもでき、のんびりした一日をすごすことができます。また、リバーシティ21方面や永代橋方面の夜景も見どころのひとつになっています。
"日本橋"界隈を身近に置くことで更なる粋な下町と革新続ける洗練された町を感じることができるかもしれません。
今回の散策では、21カ所ある日本橋のうち9カ所を散策しましたが、日本橋七福神めぐりや、隅田川テラスを歩いたり、水上バスから眺めたりと残りの日本橋とつく町の今と昔を皆さまも散策してみてください。