ハーブアイランド ベジタブルガーデンさんに訊くハーブのある生活
Vol.5 / 2012, 03
美容や健康に良いうえに、お料理にも豊かな風味といろどりをプラスしてくれるハーブ。暑すぎず寒すぎない春は、自分でハーブを育てるのにぴったりの季節です。料理に自分で育てたハーブをプラスしてワンランクアップしましょう。マンションでも育てられるハーブの選び方と栽培のコツをご紹介します。
マンションで育てられるお勧めのハーブ
あなたにとって、真っ先に頭に浮かぶ「ハーブ」はなんですか?イタリア料理好きならバジル? 肉食系の人ならローズマリーやセージ? アジアンフードが好きな人なら、香菜(コリアンダー)やレモングラスあたりでしょうか? スーパーマーケットに並んでいるハーブたちは、野菜類のなかでは高級品ですが、実はマンション暮らしでも種類によっては気軽に育てられます。
プランター1つでびっくりするほど増えますし、きちんと手入れをすれば翌年も収穫できるハーブもあります。かわいい緑の葉が、すくすく伸びるのを見ているだけでも、とっても癒されます。
ハーブは香りの強い植物なので、光がよく当たる部屋に置いたり、料理に使っても、良い香りが楽しめます。我が家のプランター菜園でハーブがたっぷり育ったら、細かく刻んでバターと練り合わせる「ハーブバター」を作りませんか。 ハーブバターは、グリルした肉や魚によく合いますし、パンに塗って食べても、とてもおいしいですよ!
ハーブバターの作り方
1. バターを細かくきり、常温でおいておき柔らかくしておきます。
2. 好きなフレッシュハーブ数種類を用意して、みじん切りにします。
3. ボールに柔らかくなったバターを入れ、みじん切りにしたフレッシュハーブを混ぜ合わせます。(お好みですり下ろしのニンニク少々を加えても可)
ハーブバターにお勧めの育てやすいハーブ
スイートバジル
種からでも育てやすく、初心者向けのハーブです。種蒔きの最適期は、桜の開花後。発芽後は間引きをし、1つのポットに1株ずつ、最低15cm開けて育てましょう。 バジルの場合、草丈が15cmくらいになったら芽先を摘んで、どんどんお料理に利用しましょう。脇芽を増やすことにつながり、いっそうよく育ちます。
イタリアンパセリ
種蒔きの最適期は春(3〜4月頃)と秋(9〜10月)ですが、発芽に時間がかかり生育が遅いので苗からスタートするのがお勧め。本葉が10枚以上になったら収穫できます。常に10枚くらい葉を残しておけば、次々と増えて長い間楽しめます。真夏の日差しは苦手なので、半日陰で栽培しましょう。
スイートマジョラム
苗を65cmプランターに3株を目安に植えつけします。約1ヵ月後、草丈が20cmくらいに育ったら収穫できますが、1年目は株作りのために控えめにし、2年目から本格的に利用できます。ハーブバターには少しだけ加えるだけで、非常によく香ります。
チャイブ
種も株分けも3〜5月が最適期。鉢が窮屈になってきたら株分けをし、葉丈が20cm以上になったら収穫できます。4〜5月頃には花が咲いてしまいますが、葉の利用がメインなら、つぼみのうちに摘み取りましょう。高温と乾燥に弱いので、風通しがよく、直射日光の当たらない明るい日陰で育てましょう。
マンションでハーブを育てる場合の注意点
マンションでは、成長すると背が高くなってしまうもの(低木類やレモングラス、フェンネルなど)は難しいでしょう。育てるハーブを選ぶ際に、前もって図鑑などで確認してください。
プランターのみで育てるには定期的に培養土を入れ替え、栄養分を絶やさないことが大切です。ハーブ用肥料というのも売られていますが、新しい培養土だけで十分に追肥の役割を果たします。増えてきたらひとまわり大きな鉢に植え替えをしてあげたほうが、土と一緒にフレッシュな空気も根元に取り込まれ、ハーブの育ちがよくなります。
特に気をつけてあげたいのは「風通し」です。基本は野生で育つハーブたちですので、春は屋外で育てましょう。ベランダに置く場合は、プランターの下に箱を1つ置いて高くするなどして、光を当て、風通しを良くしてあげましょう。
プランターで寄せ植えするときは3〜4種類以内に収めましょう。また1種類だけで育てるべきハーブがありますので注意しましょう。たとえばミントは成長力が旺盛で他の成長を妨げてしまうことがあるので、単独で育てましょう。ジャーマンカモミールも一年草で、寄せ植えには適していません。 (寄せ植えに適しているクッキング用のハーブには、ローズマリー、コモンセージ、スイートバジル、フェンネル、チャイブ、イタリアンパセリ、コモンタイム、オレガノなどがあります)