料理研究家・石井秀代さんに訊く「ホームパーティーの楽しみ方」
Vol.1 / 2011, 11
日本人第1期生のオリーブオイル・ソムリエとして、目黒でお料理教室とケータリングサービスの「Tavola(ターヴォラ)」を主宰し、テレビや雑誌にも出演されている石井秀代さん。人をもてなす場でのお仕事が多く、パーティー料理のプロとして活躍中ですが、プライベートでもホームパーティーが大好き!だそうです。 石井秀代流の「ホームパーティーの楽しみ方」を伺いました。
好きなものを持ち寄って気軽にパーティーを楽しむ
初めてのホームパーティー。ゲストを喜ばせるにはどうしたらいいかとつい気負ってしまって、なかなか実行できない人も多いはず。石井秀代さんはそんな人に、少し肩の力を抜きましょうとアドバイスします。
「年末年始は『うちで一緒にパーティーしない?』と誘いやすい、絶好のシーズンです。3~4人くらいの小さな集まりでも、十分にパーティーはできますよ。私は、日頃自分がおいしいと思う食べものを気の合う仲間とシェアして、ワイワイと"好きなものの情報交換"を楽しむことが十分にパーティーだと思います。だから、週末の仕事帰りの軽い持ち寄りパーティーや、休日のブランチを兼ねたランチパーティーなどから、気軽にホームパーティーを始めてみてはいかがでしょうか?」
テーマを決めて、参加者全員で遊ぶ
仕事としてもプライベートでも、人の集まりに参加することが多い石井秀代さん。印象に残ったホームパーティーの体験を話してくれました。
「持ち寄る食べ物のテーマを決めたら、もっと楽しくなると思いますよ。たとえば肉料理ばかりを食べる『肉食の会』とか、ひたすら海老とカニを食べ尽くす『海老カニ合戦!』とか(笑)。ホームベーカリーを買ったから、試しにいろいろ作ってみようというホームパーティーもありました。そんな小さなアイデアでいいんです。そして事前にテーマを発表して、何を持ってくるか考えるところから遊びにしてしまいましょう!そうすれば誰が招く・招かれるという関係ではなく、全員が参加できて、パーティーはもっと盛り上がりますよ。」
ホームパーティーのテーマを決めるとき、それは食べ物に限らず、ドレスコードでもいいと、石井さんはアドバイスします。
「たとえば『全員白を着てくること!』とか『全員かぶりもの持参』とか。 以前我が家のホームパーティーにメイドさんの衣装を持ってきた人がいて、『誰が一番似合うか?』決めようと、順番にコスプレして写真を撮ったことがありましたよ。男性も含めて(笑)。場所がレストランだったらとてもできないので、楽しかったですね。 また女性なら、いつどこで着られるのかわからないお洋服を一目惚れして買ってしまって、クローゼットで眠ったまま...なんていうこともよくありますよね。そんな非日常な服を着て集まる会というのもステキでは?きっと格別な思い出になると思いますよ。」
主催者の心得とは?...自分が一番楽しむこと!
ホームパーティーの極意は全員参加で楽しむこと。とはいえやはり、自宅に招く側として気をつけるべきこともあるのではないでしょうか?石井さんに尋ねてみました。
「これまでお話ししてきたとおり、フルコースでおもてなししようと気負わないこと。当日忙しくて自分が楽しめないと『もう二度とやりたくない』ということになってしまいますし、お料理に夢中になってキッチンにこもりっきりでは、招かれたほうが気を遣ってしまいます。家のあるじがたくさん会話して、一番楽しむことが、パーティーを盛り上げるコツですよ。」
そのためには、お料理の仕込みがとても大切だといいます。
「基本は持ち寄り制にするにしても、主催者側のサプライズとして、温かいメイン料理を用意したいですね。コツは、パーティーが始まる前に7割くらいまで調理を済ませておくこと。そうすれば、パーティーの進行に合わせて、タイミングよくお料理を出すことに専念できて楽ですよ。最後に、豪華に見えて意外と簡単なおすすめメニューをご紹介します。」