エコロジーとシェアエコノミーの時代に合致したサブスク
「お試し」や「次々に入れ替える」ための家具のサブスクではなく、「理想のお部屋を叶えるため」と話すSTYLICSの小幡社長ですが、最近は違う発想でサブスクを利用するお客様もでてきたといいます。
「STYLICSの場合、だいたい3年利用すると支払額が家具の価格の100%になるので、そろそろ購入価格を超えますよとお客様にお伝えするのですが、そのまま利用を続けたいという方もおられます。処分するときはSTYLICSが電話ひとつで取りに来てくれる、その気楽さを保ち続けたいというのです」。
契約が終了して引き取られた家具は、きちんとリサイクル市場にまわしていくので地球環境にも優しいとのこと。そんな意識から、所有ではなくサブスクを選ぶ人も増えているそうです。
また、デザインの流行も数年単位で移り変わっていきます。一昔前アジアン家具のブームがありましたが、その次に北欧テイストがやって来て、最近はブルックリンスタイルとかインダストリアルといわれている家具ブランドが人気。家具も定期的に着替えるように楽しみたいという人もいるでしょう。
こだわりと遊び心が詰まった大人ブルックリン
「寝室をかねた1部屋を自分好みのとっておきのマイルームにしたいというご要望で『ブルックリンスタイル』に。お部屋全体の調和を保ちながら、1つ1つ個性的なデザインの家具を探しだしました。ソファはあえてデザインの異なる1人掛けをランダムに配置することで堅苦しさのない、遊び心を感じさせるスペースを作りました」
そのほか、ひとり暮らしを始めたばかりの学生や長期出張、ノマドライフを楽しんでいる人、話題の新製品を試したいといったお気軽なニーズには、次のようなサブスクサービスも選べます。
ブランド品の「お試し」向き subsclife(サブスクライフ)
オフィス家具やブランド家具に強いのがsubsclife。また、バルミューダやElectroluxといった最新のデザイン家電がサブスクで利用できることが特徴的です。契約期間は3ヶ月から24ヵ月の間で自由に設定可能ですが、短ければ料金設定が高めになるので、購入する前提で「お試し」したい人向きです。部屋のアクセントとして欲しいテーブルなど、デザイナーズ家具の一点狙いという使い方が賢い方法といえるかもしれません。
ひとり暮らしや新婚さんの模様替え向き airRoom(エアルーム)
月々500円(税別)から試せるというリーズナブル感が魅力のairRoom。期間は最短3ヶ月から無期限なのが特徴です。ベビー・子ども用品やペット用品なども扱っています。プロによるフルコーディネートのリビングセットも安価で揃えられますが、家具は必ずしも新品というわけではありません。
「所有から利用へ」を提案する 無印良品
今年1月、無印良品もサブスクサービスを開始しました。暮らしの基本となるベッド、デスク、収納家具、ベビーベッドなどに絞り込み、契約は年単位で1年/2年/3年/4年プランから選べます。申し込み金、デポジット、保証金などの初期費用は一切不要。申込みは指定された店舗でのみ可能です。
筆者のようにコロナ禍で在宅ワークとなり、新たにワークスペースを整えるために家具を買いに走った人も多いはず。いま家具のサブスクリプションサービスは、巣ごもり需要で全体として大きく市場を広げている一方で、収支が合わず撤退している企業もあります。自分の目的に合ったサービスを見極め賢く利用して、暮らしの「質の向上」と「身軽さ」を同時に満たしたいものですね。
※この記事は2021年5月27日時点での情報です。