都市緑化のイメージを変えた
MIYASHITA PARK
昨年来ココジカでは新オープンのスクランブルスクエアなどを取り上げてきましたが、渋谷の駅周辺は高層タワーの建設ラッシュ。そのなかでいま、異彩を放っているのが宮下公園です。
宮下という名前は、戦後廃止された旧皇族「梨本宮家」に隣接した土地であったことに由来します。東京オリンピック前までは渋谷川沿いの平地の公園でしたが、渋谷川の暗渠化とともに人工地盤となり、駐車場と公園を併せ持つ「東京初の空中公園」として整備されました。
1980年代にはアートやファッションを志す若者の自己表現の場として賑わいました。2006年には渋谷区がフットサルコートを整備、2011年にはボルダリングウォールやスケート場に再整備され、ストリートスポーツのメッカとなっていました。
そして今回は、「立体都市公園制度」を渋谷区内で初めて活用して2017年から工事を開始、3年をかけて宮下公園の"第3幕"が始まったというわけです。
さて、新しくなった宮下公園がこちら。渋谷駅東口から専用歩道が整備されています。
これはハチ公ではなく「きゅうちゃん(宮下の"宮"から名付けた)」というアート作品です。カラフルで温かみのある屋外アートが各所に設置されています。
地上4階まで長いエスカレーター(運動したい人はどうぞ階段で)を上がると、目に飛び込んでくるのは、スケートボードとインラインスケート愛好者のための「スケート場」。
コンパクトながら複雑な形状が用意されたスケート場では、平日も熱心なボーダーが練習中でした。ここは一般2時間1,000円(区民は半額、小中学生料金あり)で誰でも利用することができます。
その先にはW8m×H5m×D2m「ボルダリングウォール」(有料)。ホールドでコースが設定されており、初心者から上級者まで楽しめます。有料ですが当日申込みを受け付けるほか、ルールが分からない人には専門スタッフのレクチャー付きでボルダリングが体験できます。室内の施設より青空の下でやるほうが気持ちもよさそう。
その次は「多目的運動施設」と書かれていて、何だろう?と近寄ってみると...。
なんと、砂浜?!のビーチバレーコートができていました(ここは事前登録の団体のみの受付)。これら3つの有料施設は隣の「パークセンター」に立ち寄って利用します。シャワーも有料で使えるそうなので、仕事前のスポーツ朝活も楽しそうですね。
宮下公園の北半分には、開放的な「芝生ひろば」が広がっています。約1,000㎡の広さがあり、お弁当をひろげる女子グループや、芝生の上でくつろいでいる人の姿があちらこちらに。お花見シーズン以外で、こんな開放的な光景がいままであったでしょうか? 今後はイベント会場としての貸出もおこなわれるので、さまざまなフェスが楽しめそうです。
以前の宮下公園ではJRの通過音がひっきりなしに聞こえていたのですが、今回地上4階へと高さが上がったことで、おどろくほど静かで過ごしやすいのです。
一番北側の端には、ホテルのラウンジと一体になった「VALLEY PARK STAND」があります。
ここはDEAN & DELUCA を経営する(株)ウェルカムの新業態店。じつはこの屋内も渋谷区立宮下公園の敷地の一部なので、テーブルやチェアで自由にくつろぐこともできるのです。
コーヒーからアルコールドリンクまで公園にテイクアウトすることもできます。片手で食べられるピタサンドイッチがおすすめです。
なお、渋谷区立宮下公園の利用時間は8:00〜23:00までで、夜は閉園となります。メンテナンスが行きとどいて明るくきれいな公園が保たれるほうが女性としては歓迎ですが、みなさんはいかがでしょうか?
VALLEY PARK STAND
- 所 在 地
- 渋谷区神宮前6-20-10 sequence MIYASHITA PARK 4階
- 営業時間
- 8:00〜22:30
- URL
- https://www.instagram.com/valleyparkstand/
※この記事は2020年10月29日時点での情報です。