Part 1
限定5組!テーマの異なるインテリアで非日常を過ごす
「Circus Outdoor TOKYO」(東京都奥多摩町)
「Circus Outdoor TOKYO」(東京都奥多摩町)
日本のグランピングブームを牽引してきた仕掛人集団、「Circus Outdoor(サーカス・アウトドア)」。2015年から全国各地を移動しながらグランピングのイベントを企画し、毎回募集開始から1分で予約が埋まるという伝説を残したチームが、ついに常設型施設を今年3月にオープンさせたと聞き、訪ねてきました。
「世界一美しいアウトドア・フィールドをめざす」彼らに選ばれたのは、なんと東京都!東京の奥座敷と呼ばれる奥多摩湖畔です。読者のみなさんは、足を運んだことはありますか?

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「Circus Outdoor TOKYO」は多摩湖の北側、湖を見下ろす山の中腹に位置しています。といっても山道を何分も歩かなくても、現地までクルマで直行できます。
出迎えてくれたのはCircus Outdoor TOKYO広報の田中シュナイダー茜さん。キャンプサイトを見学させていただきながらお話を伺いました。



常設サイトといっても、テントはわずか5つ。一日5組限定、定員13人という隠れ家のような場所です。テントにはひとつひとつインテリアのテーマがあり、それぞれ宿泊料金が異なります。
しかも、インテリアは定期的にがらりとリニューアルされます。というのも、テントのひとつひとつが有名インテリアショップのショールームを兼ねているから。「フェデリコセコンド代官山」のイタリアの革張りソファや、「ザ・グローブアンティークス」の本物のアンティーク家具が、森のテントにさりげなく置かれていたりします(家具や装飾品は気に入ったら購入することもできます)。


そして夜が更けた頃、眺めたいのが星空。天候や月の出にも左右されますが、見事な天の川が姿を現すこともあります。大切な人と星空を見上げて、「ほんとに、ここは東京?!」と驚く、そんな特別な体験こそが宝物といえそうです。

「『アウトドアが苦手、テントなんて自分で張れない』という都会人を、どうしたらこの自然のなかに連れて来ることができるかと考えて、たどり着いたのがこのスタイルなんです」とコンセプトを語る、シュナイダーさん。寝袋ではなく、ふかふかのベッドで眠れたり、トイレやシャワー室は別棟に完備。また、各テントまで24時間のルームサービスがあるなど、いたれりつくせりのしつらえが、アウトドア初心者の敷居をぐっと下げてくれます。
食事についても、内容を事前に知ることはできません。腕利きのシェフが、特別な輸入食材や地元野菜を調達して、その日のお客さまのためだけのコースディナーと朝食をつくります。予約日の仕入れ次第なので、サプライズ好きのシェフがどんな料理を生み出すかは当日のお楽しみ。
「ここでの時間の過ごし方は、IT機器の電源をすべてオフにして、自らの五感を解放する"デジタルデトックス"をお薦めしています。できれば端末類は、勇気を出してレセプションに預けていただき、一晩だけ時計の針が遅く進んでいくような不思議な感覚を体験してほしいですね」(シュナイダーさん)。

奥多摩湖の深山橋を望むテラス付きの「The Royal Griffin(ロイヤル・グリフィン)」は1人162,000円(税込)、定員2名。ちなみにこの「Circus Outdoor TOKYO」は、東京都の『Nature Tokyo Experience(多摩・島しょの自然を活用した新たな体験型エンターテイメント創出事業)』(※)のモデルプロジェクトに選定されているため、オープン時には小池都知事も訪れたそうです。
取材のために訪れたのは6月でしたが、グランピングのベストシーズンはむしろ秋以降とのこと。秋の紅葉や、冬景色の澄んだ奥多摩湖を眺め、キャンプファイヤーやテントでぬくぬく温まりながら、大切な人と語らう夜を過ごすのもおすすめです。
※ Nature Tokyo Experience(多摩・島しょの自然を活用した新たな体験型エンターテイメント創出事業)
東京都が、多摩・島しょ地域で、自然等の地域資源を活用した新しい体験の場を作ろうとする民間事業者のプロジェクトを公募・選定・支援し、事業の普及を行っていく"体験型エンターテインメント創出事業"。
Information
Circus Outdoor TOKYO(サーカス・アウトドア東京)
所 在 地:東京都西多摩郡奥多摩町290-1
チェックイン:15:00
チェックアウト:翌10:00
定休日:毎週火曜日
アクセス:
【クルマ】八王子第二インターを出たら滝山街道(国道411)を奥多摩方面へ進み、そのまま青梅街道(国道411)で奥多摩湖まで
【電車】青梅線「奥多摩」駅からバスで約30分、土日祝日は新宿から「ホリデー快特奥多摩」運行中。
URL:http://circusoutdoor.com/
コラム:日本最大級の広さの水道専用貯水池 奥多摩湖
都心から青梅街道を約100km、東京都奥多摩町と山梨県北都留郡にまたがる奥多摩湖は、1957年に造られた小河内(おごうち)ダムによって、多摩川を堰き止めてできた人造湖。水道専用の貯水池としては、日本最大級を誇る広さです。いまでは東京都の主要水源は利根川水系に移っていますが、渇水がおきた時に頼れる"東京の水瓶"という、重要な役割を担っている湖でもあります。
