ココジカ

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絢爛の美を愛でにいく ホテル雅叙園東京の「百段雛まつり」

Vol.76 / 2018, 02

お雛さま文化を遡ってみると

そもそも、桃の節句に人形を飾るようになったのはなぜなのでしょうか? もっと時代をさかのぼって調べてみました。

桃の節句は、もともとは古代中国の「上巳節(じょうみせつ=3月最初の巳の日という意味)」が日本に伝わったもので、中国では季節の変わり目に川で身を清めた後に、宴を催す習慣がありました。平安時代に貴族社会の「雛遊び(紙の人形遊び)」と結びつき、魔除けの意味を込めて、草や紙でできた「ひとがた」に名前を書き、身代わりとして川や海に流す「流し雛」が生まれました。このため、雛祭りの行事として今なお「流し雛」の風習が残っている地域が全国にたくさんあり、とりわけ京都の下鴨神社の流し雛が有名です。

流し雛

このように雛人形の起源は草や紙で人をかたどっただけのものでしたが、しだいに押し絵になり、立ち雛になり、江戸時代以降に職人の技術の発展とともに、衣裳を付けて胡粉を塗った豪華な工芸品へと進化していきました。

コラム:最近流行のお雛さまとは?

男女一対のみの雛飾りが場所も取らずお手頃

和室がない場合も多い現代のマンションライフでは、幅75cm以下のガラスケース入りの親王飾り(男女一対のみの雛飾り)が売れ筋だそう。また限定品のリカちゃんひな人形は毎年完売。洋風ドールのようなお顔をしたお雛さまやゴスロリ調の衣装、茶髪でつけまつげをつけたお雛さまもあるそうです。江戸時代にも流行があったように、現代のお雛さまも自由でいいものなのかもしれません。

美術品鑑賞の後は優雅にランチやアフタヌーンティーを

昨年(2017年)4月、目黒雅叙園として親しまれていた名称を86年ぶりに改めた「ホテル雅叙園東京」。リブランド後も、目黒雅叙園時代からの"訪れる人に非日常を提供する"というコンセプトは守られています。そして11月には「Small Luxury Hotels of the World (SLH)(*3)」に加盟し、日本には11軒しかない、スモールラグジュアリーホテルの仲間入りを果たしたばかり(まだ3カ月!)です。世界中の目の肥えたセレブな旅行者が集まるホテルを、私たちも楽しまなくちゃソン!

館内に和洋中各種レストランが7ヵ所もあるので、「百段雛まつり」を観賞後にはランチやティータイムを楽しみながら、しばし別世界に浸ってみるのもいいのではないでしょうか。

*3 Small Luxury Hotels of the World (SLH)とは、世界70カ国、独立系でコンセプトがユニーク、かつ小規模な高級ホテルのみ加盟が許されるホテルブランド。セレブを満足させるパーソナルサービスを売りとし、日本では星のや京都や東京ステーションホテル、シギラベイサイドスイートなど11軒が加盟ホテルになっています。毎年世界中から数百にのぼる加盟申請がありますが、最終的に加盟が許されるのは20前後。加盟後も、ミシュランのように覆面調査が定期的に行われ、高いサービス品質が要求されます。

日本料理・渡風亭

日本料理・渡風亭

茅葺き屋根の佇まいが外国人旅行者を魅了する料亭。個室ごとに異なる日本画家が装飾を手がけており、伝承の日本画や螺鈿細工など贅を尽くした工芸品に囲まれながら、極上の料理が楽しめます。「百段雛まつり」の会期中は百段雛まつり入場券付きの「雛まつり会席膳(4,900円)」が用意されています。

New American Grill "KANADE TERRACE"

New American Grill KANADE TERRACE
New American Grill KANADE TERRACE

アメリカ料理に各国料理を融合、日本料理的な"ひと手間"を加えた調理法で、素材のうまみを引き出して提供しています。ランチタイムはブッフェ形式で、夜はコース料理とアラカルト料理が楽しめます。「百段雛まつり入場券付きランチセット」は一人4900円。

RISTORANTE "CANOVIANO"

RISTORANTE CANOVIANO
RISTORANTE CANOVIANO

にんにくや唐辛子、バター、クリームなどの動物性油脂を極力使わず、オリーブオイルや野菜などの 自然の味わいにこだわった自然派イタリアンが味わえます。「百段雛まつり入場券付きランチコース」は一人4900円。

カフェ&バー結庵

カフェ&バー結庵

目黒駅から至近なのに、まるで森の中にいるような緑に囲まれた開放的な雰囲気で、優雅にアフタヌーンティーを楽しめます。「百段雛まつり入場券付きのランチミニコース」は3,800円、「同アフタヌーンティー」は4,100円。

雛まつりを見学し、おいしいランチタイムを過ごして「日本の伝統文化っていいなあ」とあらためて思い返したひととき。実家に置きっぱなしにしていた自分のお雛さまの顔を思い出して、私ももう一度会いたくなりました。

InformationInformation

ホテル雅叙園東京
目黒区下目黒1-8-1
Tel. 03-3491-4111 (代表)
U R L:http://www.hotelgajoen-tokyo.com/

※掲載の情報は発行月時点の情報であり、現在とは異なる可能性があります。