見学コースの流れ
案内してくださった方
リバーガイド 村木さん
船着場へ
まずは、発着地である「日本橋船着場」へ向かいます。「日本橋船着場」は日本橋の橋のたもとの「滝の広場」にあり、2011年に船着場がオープンされる前はサラリーマンの憩いの場として親しまれていたのは記憶に新しいです。現在では観光船が運航するため、乗船待ちの人々で賑わっています。受付を済ませ、門扉の前で乗船の時を待ちます。
乗船の許可が下り、桟橋を進むとようやく待望の船と対面です。遊園地のアトラクションにありそうな可愛らしい形状です。
今回乗船したのは「江戸東京号」。一度に10名まで乗船が可能です。アメリカ製ボートメーカーDuffy Electric Boat社製の電気ボートで、モーター音がほとんどせず、排気ガスを出さないため環境にも配慮されています。
日本橋川クルーズへ いざ、出航!
出発から早速、最初の見どころに到達。そう、出発の拠点となった「日本橋」です。今日に現存する「日本橋」は1911年(明治44年)に架橋されたもので、20代目にあたるそう。初代日本橋は徳川家康の命を受けて1603年(慶長8年)に架橋され、木造で橋の幅が4間2尺(約8m)と現在の3分の1ほどの狭さでした。架橋の翌年には五街道の起点となり、日本の中心として江戸一番の繁栄を極めました。また、日本橋川の北岸一帯は大変な賑わいを見せた魚河岸であり、その様がまるで竜宮城であったことから、北詰には乙姫像が建てられています。
さて、この「日本橋」ですが、架橋当時、総工費に対して約10%を装飾のための費用に充てたといわれており、麒麟像や獅子像、柱に文様が施されるなど、豪勢な装飾が目立ちます。橋の側面に埋め込まれた獅子のレリーフなど、船に乗らなければ見えない装飾もありますので、橋をくぐる迫力と合わせ是非ともご自身の目でご覧ください!
日本橋川には見どころがギュッと凝縮されているんです、とのリバーガイドの村木さんのお言葉通り、続いて次の見どころポイントに到着。「一石橋」という橋桁の低い橋にさしかかります。
「一石橋」は、江戸時代に橋の北に金座支配後藤庄三郎、南に呉服町頭取後藤縫殿助の屋敷があり、後藤の読みから「五斗」、「五斗+五斗で一石」と当時流行した駄洒落が由来です。(あいにくと現代の日本人にはわかりませんが...。)
ちなみに一石とは約180リットルほどの量をいいます。
続いて、「常盤橋」、「常磐橋」に次いで、「新常盤橋」...とよく似た名前の橋を通過します。よく見ると「盤」「磐」の漢字が違うのですが、これは部首の「皿」から割れることを連想し、縁起が悪いことから「石」にしたといわれています。中でも「常磐橋」は1590年(天正18年)の架橋といわれており、東京では最も古い石橋の一つです。現在の「常磐橋」は1877年(明治10年)に建造され、文明開化期に築造された石橋群の中で唯一現存するもので、千代田区景観まちづくり重要物件に指定されています。また、経年に加え、東日本大震災の損傷により、現在は元の姿に戻すための修復工事が行われています。ガイドの村木さんによれば、「残っている部分を最大限に生かすようにして、元の形に復元しているんです」とのこと。解体された石はいったん並べられ、再度もとにあった場所に組み直されるそう。今回のコースでは工事現場のすぐそばを通ることができ、解体した石のひとつひとつに振られた番号まで見ることができました。