映画やテレビを見るときは次々とプロット（物語）を追うことに神経が集中しがちですが、舞台鑑賞では生身の人間の声、視線、一挙手一投足に目が釘付けになる、という全く違った体験をすることになるでしょう。特撮で生み出されたスペクタクル映像よりも、目の前のアクロバット演技のほうに感動するという感覚に近いかも知れません。舞台の上で生身の人間が演じ、息づかいまで伝わってくる空気感、同じ時間を共有していると感じる一体感は、音楽系のライブなどでもきっと体験することではないでしょうか？ 今や東京は世界有数の演劇都市。舞台装置の整った劇場が増え、芸能プロダクションが積極的にタレントを舞台でも活躍させるようになったことで客層も大きく広がりました。最先端の映像や音楽もどんどん融合させながら、あらゆる可能性を試みるエンターテインメントの実験場、それが今日の演劇であり、「IHIステージアラウンド東京」が今年ここに生まれる理由かも知れません。

劇場ができるのは豊洲埠頭地区、ゆりかもめ「市場前」駅の前です。豊洲新市場や商業施設「千客万来」、2020年東京オリンピック・パラリンピックの競技施設・選手村の建設が計画されている湾岸エリアの新しい顔となりそうですね。