いつから初詣が始まったのか
初詣として習慣化したのは比較的最近で明治時代に入ってからになります。 江戸時代以前は、「年籠り」という家長だけが年末と年始に2度お詣りする風習があったくらいで、誰もが新年のお詣りをするようなことはありませんでした。それが、江戸時代末期になると恵方詣りという恵方の方角の寺社に必要と感じた時にお詣りすることが全国的にも流行りました。恵方とは、陰陽道の福徳を司る歳徳神という神様が在する方位のことで、節分で食べる恵方巻きが現在では有名になっています。その後、明治時代に入り新年を迎えて最初の恵方詣りが初詣と呼ばれるようになり、この習慣が初詣として確立していったようです。
※初詣については諸説ございます。
それでは2017年に向けた新しい初詣の形をお届けします。
1. 江戸時代気分で恵方詣りで初詣
今ではあまり聞かなくなった恵方詣りですが、2017年の初詣は恵方詣りをしてみませんか?2017年の恵方は、「北北西」なので、まさに「北北西に進路を取れ!」。お住いから北北西にある寺社を探してみてください。初詣に行く寺社が北北西にあればいつも以上のご利益を授かれると言われています。また、いつもと違う初詣をとお考えの方は北北西の寺社に初詣はいかがでしょうか。
恵方早見表
恵方は毎年変わりますが、6年目には元の方角となります。また、南南東の方角が2回あるのが特徴です。
2017年 | 北北西 | 2018年 | 南南東 | 2019年 | 東北東 | 2020年 | 西南西 | 2021年 | 南南東 | 2022年 | 北北西 | 2023年 | 南南東 | 2024年 | 東北東 | 2025年 | 西南西 | 2026年 | 南南東 | 2027年 | 北北西 | 2028年 | 南南東 | 2029年 | 東北東 | 2030年 | 西南西 | 2031年 | 南南東 |
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2. ご利益にあわせた初詣
厄除けや商売繁盛、縁結びなど様々なご利益のある寺社がありますが、特にこのご利益を授かりたいと言った方には、こちらの寺社に初詣はいかがでしょうか。
厄除けには神猿(まさる)がいる日枝神社(ひえじんじゃ)
厄除けといえば、初詣だけで300万人の参拝客が訪れる明治神宮が有名ですが、永田町にある日枝神社もオススメです。東京メトロ千代田線「赤坂」駅や東京メトロ銀座線・南北線「溜池山王」駅から歩いて行ける日枝神社ですが、徳川家康が江戸に入った際に江戸城の鎮守として徳川家に崇敬され、明治以降は皇居の守護神などとして崇敬されてきました。また、日枝神社の神の使いとして神猿(まさる)がおり、魔が去ると言う意味から魔除けや厄除けの神社として有名です。「溜池山王」駅からの場合には急な階段になりますので、足腰を鍛えてご参拝ください。(「赤坂」駅からは上りのみエスカレーターがあります)
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商売繁盛には酉の市の発祥の鷲神社(おおとりじんじゃ)
商売繁盛といえば、日本三大祭りや江戸三大祭で有名な神田明神が商売繁盛では有名ですが、酉の市の発祥とされる千束にある鷲神社もオススメです。東京メトロ日比谷線「入谷」駅から歩いて行ける鷲神社は、開運・商売繁盛の神として御神徳の高い天日鷲命(あめのひわしのみこと)と願いがかなったお礼参りの際に武具の熊手を収めたとされる日本武尊(やまとたけるのみこと)を祀っています。この武具の熊手から酉の市が始まったとされ、熊手が「運をかき込む」や「金銀をかき込む」とされていることから商売繁盛の神社として有名です。
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縁結びには招き猫発祥の今戸神社(いまとじんじゃ)
縁結びといえば、東京のお伊勢さまや大正天皇のご結婚の礼が行われたことで有名な東京大神宮や出雲大社東京分祠が有名ですが、浅草にある今戸神社もオススメです。東京メトロ銀座線・都営浅草線「浅草」駅から少し歩く今戸神社ですが、招き猫発祥の地として有名な神社です。右手を上げる招き猫は幸運を招くことから、良縁も招くとして縁結びの神社と呼ばれています。また、美男子とされていた沖田総司終焉の地の神社としても有名です。浅草駅から台東区循環バス(北めぐりん)に乗車して「リバーサイドスポーツセンター前」停留所の目の前になります。帰りは、リバーサイドスポーツセンターの並びにある「リバーサイドスポーツセンター前」ぐるーりめぐりんバスで浅草駅まで戻るのがオススメです。
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学業成就には徳川家の菩提寺である増上寺(ぞうじょうじ)
学業成就といえば、学問の神様とされる菅原道真公を祀り多くの方が訪れる湯島天満宮や、同じく菅原道真公を祀っている亀戸天神社が有名ですが、芝公園にある増上寺もオススメです。徳川家の菩提寺として有名な増上寺には、徳川家康公が深く信仰した仏像があり、いくつもの戦に勝ったことから勝運などのご利益をもたらすお寺としても有名です。年越しの際には、初詣をしながら東京タワーの年越しライトアップも鑑賞できるのが特徴です。
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一度でたくさんのご利益を授かる明治神宮
ご利益が多いといえば、無病息災から学業成就、厄除け、商売繁盛などほとんどを網羅しているのが西新井大師ですが、超有名スポットである明治神宮はおススメしたいです。初詣だけで300万人が参拝する明治神宮は、厄除けから縁結び、学業成就などを網羅しています。非常に多くの方が初詣にいらっしゃるので、初めての方は躊躇されるかもしれませんが、明治天皇と昭憲(しょうけん)皇太后のご神霊を祀り、70万m²の広大な面積に10万本の木々が植えられた代々木の杜は、都会にいることを忘れさせてくれる神社として厳かな気分に浸れます。
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有名だけど穴場的初詣スポットの根津神社
有名だけど穴場的スポットといえば、明治神宮の近くにある代々木八幡宮が有名ですが、多くの神が祀られている根津神社もオススメです。根津神社は、東京メトロ千代田線「根津」駅と「千駄木」駅の間にあり、つつじ祭りや千本鳥居が有名ですが、須佐之男命(すさのおのみこと)、大山咋命(おおやまくいのみこと)、誉田別命(ほんだわけのみこと)、大国主命 (おおくにぬしのみこと)、菅原道真公 (すがわらのみちざねこう)が祀られており、さらに根津神社を創祀したのが日本武尊(やまとたけるのみこと)と言うことでご利益も厄除け・商売繁盛・学業成就など多岐にわたる神社として有名です。 都心の住宅街の真ん中に位置しながら、緑豊かな根津神社は近隣の方からも人気があります。
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ひと口メモ1 浅草寺(せんそうじ)と浅草神社(あさくさじんじゃ)
都内でも有数の初詣者数でにぎわう浅草寺ですが、同じ敷地内に浅草神社があるのをご存知ですか。 浅草で行われる三社祭は、浅草神社奉賛会によって運営されていますが、江戸時代には、浅草寺も浅草神社もひとつでした。浅草寺の始まりは、西暦628年に隅田川で漁をしていた兄弟が仕掛けた網に観音像がかかり、この観音像を祀ったのが始まりとされています。浅草神社は、観音像を見つけた兄弟と浅草寺に観音像を祀った住職の三人が祀られています。その三人の霊から三社権現と称され、三社祭りへと繋がっていったようです。明治時代の神仏分離により別々の扱いになってしまった浅草寺と浅草神社は、今も同じ敷地内にありますので、浅草寺に行った際には浅草神社にも足を延ばしてみてください。
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