ライブハウスの屋上に誕生した「渋谷の畑」
2016年4月、渋谷のライブハウスTSUTAYA O-EASTの屋上にある「渋谷の畑」が畑開きしました。都会の親子に野菜を育てて食べるという新しい体験を提供すべく、種まきイベントなどを行っています。
仕掛け人は、神奈川県相模原市で自然栽培の『ゆい農園』を営む油井敬史さんと、出版・広告の仕事をしている小倉崇さん。週末を畑で過ごす気持ちよさ、おいしい野菜の作り方をもっと多くの人々に知ってもらいたいと、昨年「ウィークエンド・ファーマーズ(weekend farmers)」を結成しました。相模原の油井さんの畑で始めた週末農業の活動を知った、小倉さんの友人のシブヤテレビジョンの社員が共感し、「渋谷でも何かできないか」と持ちかけ、「シブヤテレビジョンが運営しているTSUTAYA O-EASTの屋上で畑をやりませんか」と提案。渋谷のど真ん中でも野菜を育ててみよう!と「渋谷の畑」プロジェクトが始まりました。
誰もが気軽に立ち寄れて、農作業を楽しんだり、
採れたての野菜を味わったり。畑でつながるコミュニティ。
昨年夏、「渋谷の畑」の準備のため、ビルの屋上に小倉さんたちが担いで運んだ土の量は300袋以上! 3つの木製のコンテナに40cmほどの厚さに土を入れ、まずはトライアル期間ということで、さまざまな野菜の種を蒔いてみることにしました。風や日照の関係でニンジンがうまく育たなかったり、トマトが渋谷のカラスにつつかれてしまったりもしたけれど、水菜やわさび菜、ラディッシュなどの葉物野菜はすくすく育ちました。 収穫した野菜は、自分たちで食べるのはもちろんのこと、地元の百軒店(ひゃっけんだな)商店会の飲食店でもおつまみや薬味として提供されました。
「自分たちが暮らしているこの街も自然の一部。手をかけさえすれば、野菜は都会でも十分育つということに気づいてもらえたらいいですね。自分たちで育てたい野菜の作りかたをシェアし合って、それぞれが小さな野菜畑を始めたら、暮らし方が変わってくると思いませんか?」(小倉さん)
たとえば、トウモロコシの糖度は収穫後半日で半分以下になるというのは農家の常識です。ふだんスーパーで買って食べている私たちは、トウモロコシの本当の甘さを知らない...ということになります。もし自分の手で育てて、収穫したその場で食べたなら、一体どれくらいおいしいトウモロコシを味わえるのでしょう?
昨年11月に開催された、「渋谷の畑」のお披露目会には、約200名の親子連れが集まり大盛況。畑に設置したテントで収穫したばかりの野菜で料理をつくって味わいました。
「渋谷で、こんなことができるんだ!とみんなを驚かせたい。そうしていつか、マンションの各ベランダで野菜や稲穂が育っている風景が見られたら面白いねと想像しながら活動しています」(小倉さん)。
7月31日(日)渋谷百軒店商店会の納涼祭りにて
渋谷の畑は「とうもろこし祭り」開催
「渋谷の畑」では昨冬のあいだ中、堆肥作り名人の土を混ぜたり、藁や茅を敷き詰めてじっくりと土作りをしてきました。なので、今年は昨年よりも土がよくなり、野菜がもっと育ちそうだと小倉さんはいいます。
まずは、2016年7月31日(日)に開催される渋谷百軒店商店会の納涼祭り「50m巨大流しそうめん大会」の開催に合わせて、渋谷の畑で朝採りしたとうもろこしをふるまおうと準備を進めています。会場は、百軒店のメインストリート中通り。日程の合う方はぜひ足を運んでみてはいかがですか?
また、来たる2016年6月4日(土)に行う、「渋谷の畑」で田植えイベントの参加者を募集中。水田はないのですが、ペットボトルをカットした手作りのプランター約100本を使った小さな水田を作ろうというものです。
このようなイベントのお知らせは随時「ウィークエンド・ファーマーズ」のウェブサイトおよびfacebookイベントページで発信していますので、ご予約の上、参加してみてください。
「渋谷の畑」で田植えイベントの詳細は下記をご覧ください。
育てて食べる畑の八百屋「ウィークエンド・ファーマーズ」
http://weekendfarmers.jp/#community
Information
渋谷百軒店商店会の納涼祭り「50m巨大流しそうめん大会」
日時:2016年7月31日(日)
場所:渋谷百軒店商店会 メインストリート中通り
水菜、わさび菜、ラディッシュ、かぶなど昨年のお披露目会で収穫した渋谷の野菜たち。たしかにニンジンはちょっと小さいですね。